アップスレンタカーのある和歌山県印南町。農家さんが多いですから、軽トラを見ない日はありません。逆に都心部へ行くと、軽トラが走っていないという光景になれるまでちょっと時間がかかるくらいです(笑)。
かつて日本で「農道のポルシェ」と呼ばれていた車があったそうです。それが「スバル・サンバー」でした。
1961年から販売され続けており、2016年現在でなんと56年間継続して販売されている長寿車種の1つ。元々スバル360のレイアウトを流用する形でRRのレイアウトを取って作られた軽トラックならびにバリエーションのバンなどがサンバーです。
荷台に重量物を載せることを前提に作られており、そのためリアにエンジンを置くことでエンジン自体に錘の役割を与え、荷台が空でも重心を低くバランスの良い操舵性を実現しました。リア駆動という方式も荷台に重量物を載せたときに十分なトラクションを稼ぐため有効に働きます。
水平対向エンジンを連想させるスバルというブランドに加えてそのエンジンレイアウトなどはポルシェ911を彷彿とさせ、車好きの間からは「農道のポルシェ」と称されていたそうですが、決して皮肉だけのものではありませんでした。
スバルが作り上げたサンバーの走行性能は非常に優秀であり、農道でサンバーを運転するという体験すれば、その悪路走破性やハンドリングの面白さに下を巻く車好きが少なくないのです。「農道のポルシェ」という言葉には真摯に手を抜かず車作りを行うスバルへの賛辞が含まれているのでした。
そんなスバルを代表する軽トラックサンバーですが、トヨタとの資本提携を期に赤字続きであった富士重工業の軽自動車部門が解散されたことで、ダイハツのハイゼットがサンバーとしてOEM販売されることとなりました。これが「農道のポルシェ」と賛辞を送っていた車好きの間では非常に大きな衝撃とともに受け入れられ、主に地方の農山地で気がつけば古くなっていた軽トラックが最終型サンバーに入れ替えられているという自体が巻き起こったそうです。
中古車でしか買えなくなってしまったサンバー。スバル最後のサンバーは新車価格にプレミア価格がついて150万円以上での取引もあるとか?そんな安定性の良い車だったら一度運転してみたい気もしますね。
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